こんにちは、しののめです。

iwashiさんのブログで「あるソフトウェアエンジニアの1日(2028)」という記事を読みました。
共感する部分と、まだ自分の中で整理できていない部分があったので、引用しながら今の気持ちを書き残しておきたいと思います。

たくさん作って、たくさん捨てる

3人それぞれが、自分の案のプロトタイプを作ってきた。正確には、各自が一晩で10個以上作り、その中で一番出来のいいものを持ち寄った。

たくさん作って、たくさん捨てる。これが今の当たり前だ。

直近のタスクでもこれに近い体験をしている。AIに実装方針を相談して出力してもらうのだが、実際進め始めると段々とこれイケてないなという実装になってきて最終的にごちゃっとしたソースとなる。
AIに頼ることがなかった頃はgitでまだマシなコミットまで遡ってそこからやり直すことが多かったが、今はもうブランチごと捨てることも珍しくない。
「数を作って捨てる」前提のワークフローは、自分の中で運用ルールがまだ追いついていない。どれを残して、どれを捨てるのか、その判断軸を整理する必要がありそうだ。

役割の境界が溶けていく

まずコードを書く時間が減った。これは間違いない。でも、コードを書く時間は2025年末には大きく変わっていた。それ以上に変わったのは、「誰がどの仕事をするか」の境界が溶けたことだ。

PdMがコードを書く。デザイナーがプロトタイプを実装する。エンジニアがユーザー向けのヘルプ記事を書く。かつては役割が違ったから大変だったものも、今ではAIが下書きしてくれる。マネージャーも、変わらずコードを書き続けている。

エンジニア以外のメンバーが気軽にエンジニアの領域に入ってくるなら、逆にエンジニアもエンジニア以外の領域にはみ出していったほうがいいんじゃないか、と思う。むしろそうなっていったほうが良いはずだ。
プロダクトを良くするための判断材料が増えるし、自分の専門性の輪郭も逆説的にはっきりしてくる気がする。

評価軸はどう測るのか

今、評価されるのは2つの能力だ。

  1. プロダクトへの鋭い直感と顧客理解。何を作るべきか、何を作るべきでないかを見抜く力。
  2. 真に深い技術的専門性。分散システム、セキュリティなど、人間が責務を持つべき領域での専門性。

ここは正直、引っかかるところがある。
どちらの能力も定量的じゃない。じゃあどうやって評価するんだろう、というのが率直な疑問だ。
「結果としてプロダクトが伸びたか」「インシデントを未然に防げたか」みたいな後付けの指標で測るしかないのか、それとも別の物差しが生まれてくるのか。まだ自分の中では答えが出ていない。

コードオーナーシップは誰のものか

コミットのAuthor欄に表示される名前は、もはや「最後にエンターキーを押した人」以上の意味を持たない。

このコードの所有者は誰か。

答えは、チーム全員としか言いようがない。コードオーナーシップという概念は、もはや個人の単位では成立しない。

責任の所在が変わっていきそうな話だ。
ただ、最終的にそのコードを採用したのは最後にエンターを押した人なわけで、そこはその人が責任を持てと言われそうな気もする。
「チーム全員のコード」と「最終承認者の責任」がどう両立するのか、運用上のグラデーションをどう設計するのか、考えどころだと感じる。

判断の質をどう上げるか

人間の仕事は、判断に寄っていく

そうなんだよな、と思う。
じゃあその「判断」をより良くするためにはどうしたら良いのか、何をしなければならないのか、というのがまだわかっていない。
過去の判断を振り返る習慣なのか、ドメイン知識の深掘りなのか、それとも判断のフレームワークを持つことなのか。
ここは引き続き考えていきたいテーマだ。


…と、ここまで書いたところでAIと壁打ちをしてみた。返ってきた問いと、それに対する自分の答えを記録しておく。

問1(AIから):

もし後輩に「判断の質を上げるって、具体的に何をすればいいんですか?」と聞かれたら、現時点の自分の仮説を1〜3行でどう答える?

自分の答え:
事実を確認してそれに基づいて考える、データがあるならそれを分析して考える、ということだろうか。

問2(AIから):

事実もデータも揃っているのに判断が割れる場面(トレードオフ)って実務では結構ある。そういう"事実とデータだけでは決まらない場面"で、判断の質を上げるためにできることは何だろう?

自分の答え:
それぞれのトレードオフの内容を考えて、どれがユーザーにとって最も良いだろうかを考えて判断する。

このやり取りを通して、現時点では次の3層構造として一旦言語化できた。あくまで今この時点での仮置きで、これから実際に判断を回しながらアップデートしていくつもりだ。

  1. 土台: 事実確認・データ分析
    何を判断するにしても、まずは事実とデータが前提になる。データは"見る"だけでなく"分析する"までがセットだ。
  2. 評価軸: 誰にとっての"良さ"を最大化するのか
    トレードオフが事実・データだけで決まらないとき、最終的に判断を引き寄せる重しはステークホルダー(多くの場合ユーザー)の価値になる。元記事で言われていた「顧客理解」と直接つながる感覚がある。
  3. トレードオフ整理: 各選択肢の獲得物と失うものを並べて見える化する
    選択肢それぞれが何を得て何を失うのかを並べることで、上の評価軸に照らした判断がしやすくなる。

この3層を意識して判断を回せるかどうかが、自分にとって「判断の質を上げる」ための実践的な指針になりそうだ。

AI時代の過渡期

iwashiさんのブログを読んで数年後はこうなっているんだろうな、と共感することが多かったです。
一方でまだ自分の中で整理できていないところがあって、そこは今後社会的にどのような流れになっていくのか、そしてそれに自分は納得していくのか考えさせられました。
まだ答えは見つかっていませんし、この予想も数カ月後には変わっているかもしれません。
その時代の速さに追いつきながらも、同時に自分の中での考えもしっかり決めていきたいと思いました。